アニメ「ハコヅメ」第7話 解説 刑事に尾行は無理?!&優しい取り調べ

警察アニメ解説
TVアニメ「ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜」公式サイト
シリーズ累計400万部突破!「モーニング」にて連載中の『ハコヅメ』が2022年にアニメ化決定!交番女子のやけにリアルな日常を描いた前代未聞の警察コメディー!
マイにゃん
マイにゃん

尾行なら得意にゃよ

張り込みはチュール食べるにゃ♪

尾行から逮捕、取り調べと警察らしい展開でしたね

犯人捕まえないと有給もらえない⁉️

覚醒剤使用容疑の捜査で、カップルを尾行することになった藤部長と川合

藤部長「絶対私たちで捕まえようね」

   「捕まえたら遠慮なく有給の申請できる….」

もちろんそれはそうなんですが、こんな大きい事件は、しょっちゅうあるわけではありません

大きい事件を検挙しなければ有給はもらえないのか

答えはNOです

確かに、一昔前はそうでした

実績もないのに休みなんかやるかという雰囲気でしたから….

でも現在は働き方改革の推進で、実績に関係なく有給を取るように促されます

警察はもちろん公的機関なので、国の方針には逆らえません

警察はブラックから薄くなりつつあります

刑事に尾行は無理?!

ヤクザと見た目は同じの刑事に向かって

藤部長

「あの人ら単体で街に放って尾行なんかできると思う?」

これはひどい言い様ですね

確かに普段の刑事の服装は

 ○帽子を被らないので髪型にこだわる

 ○カタギとは思えないスーツに革靴を着用する

傾向にはあると思います

それと、今までハコヅメで描かれてきた仕事内容から分かるように、モジャツンペアのようなラフな服装の割合も多いですね

普段の容姿がどうであれ、尾行の際は雰囲気変えますよ

中には本物のホームレスと見まがう変装をする猛者もいます

一定期間、ホームレスとして路上で生活して、対象者の動向を探ります

皆さんが町で見かけるホームレスは本当にホームレスでしょうか

これに関しては女性警察官がやるには厳しいです

ホームレスは変装のひとつに過ぎませんので悪しからず

他の警察署の管内で○ねばいいのにね

幸せそうなシャブカップルを尾行する際に藤部長が一言

「他の警察署の管内で○ねばいいのにね」

言いたくなる気持ち、良くわかります

逮捕して裁判を受けさせるのも手間ということですね

なぜ他の警察署の管内なのか

それはもちろん、自殺であれ何であれ、自分達の管轄で○なれると処理が大変ですからね

発生場所を管轄する警察署が処理をする原則なので、是非とも他の管内で、と

ここで注意、警察には管轄があることは説明しましたが、これを言うと

交通違反等、県を越えたり、他の警察署の管内に逃げれば、警察は追ってこないと言う人がいますが

説明した通り、発生地を管轄する警察署の扱いなので、境を越えても追跡します

さらには逃げ込んだ先の警察署にも応援要請をかけますので、逃げ切ることは無理だと思ってください

罪を重ねる前に観念しましょう

任意か強制か?!

逮捕について簡単に言うと

○罪を犯した事実

○住所不定、逃走の恐れ、証拠隠滅の恐れのいずれか

があると身柄拘束、逮捕です

任意か強制か、強制です

逆に言うと、犯罪の事実はあっても

住所はある、逃走の恐れはない、証拠隠滅の恐れもない

ならば逮捕はされません(重大事件は除く)

逮捕はされませんが、任意で取り調べを受けることになります

これを拒否すれば、逮捕です

逮捕までされたくなければ、素直に全て告白しましょう

「任意か強制か?!」

とか言ってるやつは大抵逮捕されます

逮捕されたらどうなるのか

逮捕されると、手錠をかけられ、警察署の留置場に入ることになります

そこで、アニメにも出てきた身上調書等を取ります

逮捕から48時間以内に、事件書類が検察庁に送られます

その後24時間以内に、検事の取り調べを受け、留置が必要と判断されれば、裁判所で裁判官から質問を受けます

裁判官の判断で10日から20日間、留置場で過ごすことになります

その間、警察と検事、両方から取り調べを受けます

その結果、検事が起訴の判断をすれば、裁判が終わるまで留置場から出られません

裁判の結果、禁固・懲役の実刑判決が下れば、刑務所に移送されて受刑者として刑期を過ごすことになります

それまでの間に、釈放・保釈されることもあります

取り調べはとっても優しいんです

シャブ使用の女からの取り調べで、源部長は敬語を使って、優しくフレンドリーに接していましたよね

あのシーンを見て、「そんなわけないだろ」と思った方もみえると思います

よくある刑事ドラマ、机を叩いたり、犯人を掴んだり、場合によっては殴ったりしますよね….

いまだにあんなシーンがあるなんて、時代錯誤も甚だしいです

被疑者から供述を得るため、これら有形力を行使することはできません

無理やり引き出した自白に証拠能力はありません

規制された背景には、冤罪を生んできたという過去があるからです

取り調べの問題が発覚するのは、犯人の弁護を担当する弁護士が、必ず確認するからです

有形力を用いた取り調べとなれば、その供述に証拠能力はありません

これは裁判でも問題となり、他の証拠も疑われることになります

犯罪の事実に間違いがなくても、刑期の長さ等、量刑にも影響します

場合によっては無罪にもなり得ます

そうなれば被害者は浮かばれません

刑事は被害者の無念を晴らすために、必死に取り調べをしますので、難しいところです

今どきの刑事には、強い自制心が求められます

そこで、アニメで副署長や刑事課長が様子を見に来たように、取り調べの監督を行い、場合によっては取り調べの録画をします

取り調べで吐かせるのは難しいんです

源部長、うまく情に訴えて、密売ルートを明らかにしましたね

実際は難しいところです

覚醒剤の密売ルートというのは、どんな犯罪組織が絡んでいるか分かりません

これを警察にチクれば、最悪殺されることもあるでしょう

密売ルートを告白すれば、司法取引として扱われ、自分の起訴が取り下げになるかもしれません

自分の命と引き換えに….

覚醒剤事件に限らず、裁判でも黙秘を貫くと、裁判官の心証も悪くなり、刑期が延びる可能性大なので、素直に吐いたほうがいいですね

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