いま、北京オリンピックが話題となっています。
盛り上がりを見せる冬季オリンピックですが、初期の頃は、夏のオリンピックと扱いが違いました。
そんな冬季オリンピックの歴史を振り返ってみましょう。
第一回近代オリンピック
オリンピックの起源は諸説ありますが
正式には下記の近代オリンピックから始まりました。
1896年に、第一回近代オリンピックが始まりました。
しかし、この大会では冬季オリンピックは開催されませんでした。
オリンピックの創始者は、ピエール・ド・クーベルタンという人ですが、古代から行われていた陸上競技重視し、冬季スポーツには全く興味がなかったようです。
初のフィギュアスケート大会
風向きが変わったのは、1908年に行われた第四回ロンドン大会です。
この年の10月に、ロンドンでフィギュアスケートの大会が行われることになったのです。
当時、ロンドンに屋内スケート場が作られたことで、試験的に導入されました。
その記念すべき大会で、男子金メダルを獲得したのは、スウェーデンの
ウルリッヒ・サルコー
選手です。
フィギュアスケートに興味をお持ちの方なら
サルコー
という言葉に反応されたかもしれません。
フィギュアスケートの採点対象となるサルコージャンプの起源となった選手です。
初の冬季オリンピック大会
冬季スポーツの機運が高まるなか、1924年には、パリオリンピックの前哨戦として、シャモニー・モンブラン大会が開かれました。
これは、ウインタースポーツだけの大会です。
欧米を主とした16ヶ国、258人の選手が参加しました。
種目は、スピードスケート、フィギュアスケート、アイスホッケー、クロスカントリー、バイアスロン、スキージャンプ、ボブスレー、カーリングでした。
この大会は好評を博し、オリンピック委員会は、後にこの大会を
第一回冬季オリンピック
と認定しました。
事後の認定だったんですね。
これ以降、冬季オリンピックは夏のオリンピックと同じ年、同じ国で開かれるようになりました。
日本の初参加
日本が始めて冬季オリンピックに参加したのは、1928年にスイスで行われた、第二回サン・モリッツ大会でした。
6人の選手が出場しましたが、入賞には程遠く、全く歯が立ちませんでした。
というのも、競技の練習をしたのではなく、文献で調べただけで出場したようで
当然と言えば当然の結果ですね。
日本人最年少出場記録
1936年には、ドイツで、第四回ガルミッシュ・パルテンキルヘン大会が開かれました。
当時のドイツはナチス政権下にあり、あのヒトラーが開会宣言を行いました。
この大会で、当時12歳だったフィギュアスケートの稲田悦子選手が、10位の好記録を納めました。
12歳というのは、夏冬通して、オリンピックの日本人最年少出場記録です。
この記録は今も破られていません。
幻の東京・札幌オリンピック
稲田選手の活躍の甲斐あってか
1940年には東京で夏のオリンピック、札幌で冬季オリンピックが開かれることが決定しました。
しかし、1937年から続く日中戦争が長期化し、事態は一変します。
戦争に物資を集中させたい軍部の意向で、日本はオリンピック開催権を返上することになります。
これにより、幻の東京・札幌オリンピックとなってしまいました。
第二次世界大戦中、戦後しばらくもオリンピックは中止に
再開されたのはドイツ以来12年の時を経た、1948年にスイスで行われた第五回サン・モリッツ大会でした。
しかし、敗戦国である日本は、ドイツと同じく出場を許されませんでした。
日本のオリンピック復帰戦
転機は1952年のノルウェーでの第六回オスロ大会です。
この大会で日本は冬季オリンピックに復帰しますが、成績は振るいませんでした。
日本のメダル第一号
そして、1956年のイタリア、第七回コルティナ・ダンペッツォ大会
この大会で、猪谷千春(いがやちはる)(男性)選手が、スキー回転競技で銀メダルに輝きました。
冬季オリンピック、日本初のメダルとなりました。
今までヨーロッパの選手がメダルを独占していましたが、アジア人初の快挙です。
この快挙により日本でスキーブームが起こります。
日本初の金メダル
そして、1972年には、念願の札幌オリンピックが開かれることになりました。
この大会で、日本初の金メダルが誕生します。
スキージャンプのエース、笠谷幸生(かさやゆきお)選手です。
自国開催で盛り上がる、日本中の重圧をはねのけての金メダルでした。
しかもこの大会のスキージャンプ競技では、日本人選手が表彰台を独占しました。
彼らは日の丸飛行隊と呼ばれ、一躍スターとなりました。
夏と肩を並べる冬季オリンピック
1988年のカナダ、カルガリー大会では夏のオリンピックと同じ16日間のスケジュールが組まれ、夏のオリンピックと肩を並べることになります。
この大会から、フリースタイルスキーのエアリアル、モーグルなど、お馴染みの種目が追加されたのです。
北京オリンピックでは、フリースタイルスキーのビッグエア、ボブスレー女子1人乗りなど、7つの新種目が追加され、史上最多となる109種目が行われます。
日本人選手の活躍に期待しましょう。
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