貴金属店の強盗未遂事件で再注目された「さすまた」
防犯用品として有名で、学校にも配置されています
相手の動きを封じたり、相手の足をひっかけて転倒させたりと、いいことばかり紹介されますが、弱点が多いんです
理由1 力負けする・相手に奪われる
さすまたは扱いが非常に難しいです
これは扱いに習熟しても言えることです
相手の注意を引きながら隙をついて袈裟懸け(けさがけ)で押さえ込む
実戦において、これの成功率は極めて低いです
相手も必死ですから、さすまたを掴みにかかります
こちらは棒を持っている状態
相手はまた状のアームを掴みます
こうなった場合、テコの原理で簡単にいなされてしまいます
相手の方が力が弱かったとしても、掴まれてしまえば不利になります
それでもさすまたを離さないでいると、あっという間に距離を詰められて刃物で刺されてしまいます
これは槍兵の戦い方と通じるのですが、距離を詰めて懐に飛び込まれたら負けます
ですから、さすまたを相手に掴まれたら投げ捨てて逃げてください
打撃には向かない
ニュースでも有名になりましたが、恰幅のいい店員がさすまたを振り回し、さすまたを担いで相手を追いかける姿は、現代の猪八戒と称賛されました
あのような使い方は完全に間違いです
さすまたの形状からして先端の空気抵抗が大きく、重量もあるので打撃には向きません
大振りせざるを得ず、相手に飛び込む隙を与えてしまいます
相手がド素人で、盗みだけが目的で、乗ってきたバイクに執着しなかったので撃退できました
しかし、それは運が良かったと言ってよいでしょう
単独で使うものではない
これらの特性から、補助的な使用がベストです
木刀や竹刀、長いホウキの柄でも構いません
必ず複数で対峙し、決してさすまただけに頼らないことです
そして、相手に隙が出来たときにはじめて、さすまたで相手を捉えることができるのです
相手を壁などに押し込んで、押さえ込む
もしくは転倒させて押さえ込む
あとは警察官の到着を待ってください
準備に時間がかかる
これらの理由に加え、特に警察官がさすまたを使わない理由がこれです
さすまたは、その長さから車載に向きません
よって、パトカーには伸縮式のさすまたが積まれています
現場の切迫した中で、ただでさえ狭い収納スペースからさすまたを探しだし、収納袋から出して伸ばしてと、そんな余裕はありません
そこで、すぐに取り出せる警棒や警杖、盾が第一次的に使われます
また、この組み合わせが攻守のバランスも良いからです
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