やっと4人とも日本に送還されました
日本の領空に入ったところで、日本の逮捕状の効力が適用されますので、ここからスタートです
逮捕されるとどうなる?!
逮捕されると、手錠をかけられ、逮捕状を請求した警察署に連行されます
今回の場合は渋谷署ですね
まずは弁解録取を作成します
簡単に言うと、逮捕状記載の被疑事実(事件の概要)について、認めるか否かの聴取です
この段階では、まだ取り調べではなく、簡単な数行の調書なので、別名「三行(みくだり)調書」と呼びます
江戸時代などの離縁状は3行ほどの簡単なものだったので、これに由来します
またここで、弁護人選任権があることを告げます
どんな人間にでも弁護士をつける権利があるんですよね
逮捕から48時間以内に、事件書類が検察庁に送られます
これが大変で、現場の警察官は徹夜で書類をまとめます
このクラスだと、コクヨのA4バインダーの特大サイズ以上いくんじゃないでしょうか
その後24時間以内に、検事の取り調べを受け、留置が必要と判断されれば、裁判所で裁判官から質問を受けます
裁判官の判断で10日から20日間、留置場で過ごすことになります
その間、警察と検事、両方から取り調べを受けます
その結果、検事が起訴の判断をすれば、裁判が終わるまで留置場から出られません
裁判の結果、禁固・懲役の実刑判決が下れば、刑務所に移送されて受刑者として刑期を過ごすことになります
それまでの間に、釈放・保釈されることもあります
取り調べはとっても優しいんです
今回のタマ(被疑者)は相当なワルです
取り調べは、刑事ドラマのように拷問して、自白剤を使って、殴って蹴って自白を引き出すことを期待する方も見えるかもしれません
正直な話、長年逮捕を待ち望んだタマなので、強行手段に出たい気持ちはやまやまです
現場の警察官はここ数年の特殊詐欺事件で振り回されて疲弊していますからね
積年の恨みがあるのです
しかし、被疑者から供述を得るため、これら有形力を行使することはできません
無理やり引き出した自白に証拠能力はありません
それが規制された背景には、冤罪を生んできたという過去があるからです
取り調べに問題があって発覚する経緯としては、本人の供述であったり
弁護を担当する弁護士が、犯人に必ず確認するからです
弁護士はどんな犯罪者であっても、弁護を引き受けた以上は、依頼人の利益を優先します
警察の手続きに不備があれば容赦なく突いてきます
折角得られた有力な供述であっても、証拠能力はなくなってしまいます
有形力を用いた取り調べとなれば、その供述に証拠能力はありません
これは裁判でも問題となり、他の証拠も疑われることになります
犯罪の事実に間違いがなくても、刑期の長さ等、量刑にも影響します
場合によっては無罪にもなり得ます
そうなれば被害者は浮かばれません
刑事は被害者の無念を晴らすために、必死に取り調べをしますので、難しいところです
今どきの刑事には、強い自制心が求められます
そこで、警察内部でも取り調べの監督を行い、場合によっては取り調べの録画をします
弁護士は、逆に依頼人の不利になることは隠し通します
プロフェッショナルですよ
取り調べで吐かせるのは難しいんです
今回の広域強盗、この4人の中に首謀者がいればいいのですが、この4人も駒である可能性もあります
もしそうならば、この4人も自分の周囲への危害を恐れて、黙秘を通すことになるでしょう
自分の命と引き換えに、司法取引で減刑を望むか、難しいでしょうね
ただ、裁判でも黙秘を貫くと、裁判官の心証も悪くなり、刑期が延びる可能性大なので、素直に吐いたほうがいいですね
「石川や 浜の真砂は 尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」 石川五右衛門
今回で終わりということはありませんね
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